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[WIP]普通の服について考えてみた

      2015/08/09

普通の服を知ることの重要さ

服に気を使いたいならまず『普通の服』を知ること。これがとても重要だと思ってる。
『普通の服』は被服の歴史から導き出されたテンプレートで、最適解ではないがそれなりにベターな解だからだ。

服選びがテンプレート化できるのか、といぶかしがるだろう。
事実『服選びはセンスだ、考えるな、感じろ』といった内容の文言を見聞きすることがある。
この手のメッセージはアパレル業界の愚民政策感ある。

服選びはセンスがある人にしかできない?

本当に服選びを決定する要素がセンスだけなのだろうか。
仮にそういうことにして考えてみる。
もっともっと世の服装はめちゃくちゃな解に発散するはず。
パリコレで披露されるようなグロテスクな服装に身を包んだファッショニスタ(笑)たちがあちこちで闊歩してるだろう。

ところが、街を見てみるとそうでもない。
オシャレと言われてる人たちはバケットハットに、濃紺のリネンシャツに少し首の深い無地Tシャツを合わせて、ボトムスは黒のクロップドパンツかひざ上のショートパンツ、それから謎のスポーツソックスとスポーツサンダルでハズして(笑)ドヤ顔して表参道あたりにたむろしてるわけである。
しかも1人じゃない。たくさんいるのだ!

この同調現象は個々人のユニークなセンスが偶然共鳴することで発生したのだろうか。
そして、このミステリアスな現象は毎年毎月のように発生してる。
センスと言われてるモノは個々人の感性から導き出されたユニークなモノではなく、ある地点から発生した収束解なのではないだろうか。

もうちょっと考えてみてほしい。
たとえば、今年の流行色やアイテムとは何なのだろうか。
流行=トレンド=傾向だ。
つまり、今年の云々。。ってのがある時点で(少なくとも)センスのみで服が選択されているわけではないのだ。

だって、センスのみで服が選択されるならばどんな色、どんなアイテムでも良いわけだから。

普段目にする服を思い浮かべてみてほしい。
なぜ、いまだにシャツやジャケットやデニムパンツやスニーカーや、革靴を身につけてるのだろうか。
センスのみで服が選択されるなら、もっと多種多様な服装が登場しても良いはずだ。

なぜダサい服装とイケてる服装があるのか。
センスのみで服が選択されるなら『このファッションは良い』もしくは『このファッションはダサい』という評価はできないのではないだろうか。
仮に評価したとしてもノイズのように分散するだろう。

長々と意味不明なこと書いた。
言いたいことは『ファッションは混沌としたセンスに満ちたモノではない』ということ。
ファッションにはある論理的な視点が存在する。
そして、その視点によって良し悪しが評価されている。

良し悪しの境界付近に存在する服、コーディネートが普通の服、普通のコーディネートと呼ばれるものだろう。
と、いっても関数に服の情報を突っ込んだらイケてるかイケてないかとクラス分けされるようなモノではない。

『普通の服=定番の服』を探してみる

もうちょっとダサい切り口で『普通の服』を見つけ出してみたい。
普通の服=定番の服である、という定義だ。身も蓋もない感じ。

定番の服とは「いつの時代でもよく見る服」だ。

長い時代を経て着られているアイテムは一時の流行に揉まれながらも淘汰されずに生き延びてきた強者だ。
一部のファッショニスタ(笑)のみが着こなせるような難しいアイテムは定着せず表舞台から姿を消す。

こういう視点で服を見てみる。

Tシャツ

Tシャツはだいぶ定番。
夏はトップスとして、春秋はインナーとして使われる。ロングTシャツとかなら冬でも活躍できるかもしれない。
このように四季を問わず着られているアイテムだ。

そしてTシャツはパラメータが多く存在するため様々なテイストを演出することができる。
首の深さは?プリントある?ボーダー?素材は?袖の長さは?
ちょっと考えただけで色々な要素が出てくることに気がつくだろう。

『これが定番のTシャツだ』と言えるパラメータの組み合わせはどのような状態なのか、考えてみる。

ひとまず、可変要素を極限まで質素な方向にイジると『無地・丸首・コットン・半袖・Tシャツ』とかに落ち着くだろうか。
要素が多すぎる服はうるさくなりがちなので着こなすのが難しい。
一方で、要素が少なすぎる服も人を選ぶため実は難しかったりする。

襟があるシャツは冠婚葬祭やビジネスの場面で着用されることから、キレイ目、大人っぽい、知的、保守的という印象を与えるアイテム。
ドレスアップするようなアイテムが似合わない人は皆無に等しい。
たとえばスーツ姿が似合わない人ってだいぶ稀有だよね。

では、Tシャツはどうだろうか。
もともと下着として着用されていたこともあり、とてもカジュアルなアイテムだ。

シンプルな丸首白Tシャツは着る人によってはただの下着にしか見えないこともある。

彫りの深く、体格が良い(デブではない)欧米人が着ると様になる。
顔や濃かったり、体格がガッシリしてるという多い情報量を抱えているため、質素な服装でも十分バランス良く見えるからだろう。
『ファッションは引き算』なんて言われる。
欧米人は顔や体格が強いため、シンプルなTシャツで引き算するというズルいテクニックが使えるのだ。
裏を返せば、欧米人のような特徴を持ってる人は無駄にきらびやかなアイテムを選択すると着こなしがうるさくなる、ということだ。

さて、我々のようなアジア系人種の場合はTシャツ一枚だと貧相に見える。
顔が薄かったり、体格が中肉中背という少ない情報量しかないため、シンプルなTシャツが悪目立ちしてしまう。
結果、貧相さを助長する。

なので、シンプルなTシャツは難しいと考える。
もちろん、Tシャツの襟首や袖の長さ、胴の長さといったシルエットが自分の身体にフィットするアイテムを選べればアジア系だろうがカッコよく見える。

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上図はアレキサンダーワンというブランドのデザイナーのアレキサンダーワン。
この黒っぽいカットソーはシンプルながら全体的にゆったりとしていて、首元が少し広くなっている。
これ、デブ・マッチョ・ガリガリには似合わない。中肉中背用。
あと、顔立ちも重要で平井堅みたいな濃い顔の人には似合わない。顔が濃い人はタイトめな白のVネックTシャツの方が映える。
これは綾野剛みたいな塩顔とよばれるような線の細い顔立ちの人に似合う。
髪型も重要で角刈りとかギャル男みたいな髪型より、ロン毛ウェーブや前髪重めのツーブロックといったちょっと奇抜な髪型の人間に似合う。
このようにシンプルなTシャツでもシルエットさえ間違えなければ大変カッコよく見える。
ただ、上に書いたように条件がだいぶ絞られてしまってるため汎用性は無い。
よって、普通の服とは言い難いのだ。

合わせ方としてジャケットやパーカーのインナーにシンプルな白Tシャツを着用するのは良い。

だが、単独で着用できることを考えるとプリントやボーダーがあるものが無難だろう。

まずプリントT。
何がプリントされているかによって醸しだされる雰囲気が大きく変わる。
そのため、プリントの特性と自分自身の特性を把握して適切に組み合わせる必要がある。
無難と言っておいてちゃぶ台だが、プリントはちょっとむずかしい。

結論、ボーダーが楽。
どこの服屋にもボーダーあるよね。

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全面ボーダーでも良い。
が、主張が強い、かつ着る人によって囚人感を醸す。な
ので、部分的にボーダーが入ってるものが無難に着れるので個人的にはオススメ。
ボーダーと生地色はネイビーと白(逆でも可)の組み合わせが無難。
黒は強い色なので実は無難じゃなかったりする。

デニム

超定番。
色、形、丈色々ある。
洗いがない生デニム(濃いネイビーで色落ちしてないヤツ)を選ぶ。
丈は絶対に調整する。
テーパードという腰元がゆったりしてて、足先にかけて細くなる形がキレイに見えるのでオススメ。
スキニーはスタイルが良い&ナルシスト気質な人ならOK。
デブでスキニーは見苦しい。
足が太いひとはテーパードか少し細めのストレートが無難。

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これをロールアップして履いて足首を見せる。
で、靴はネイビーのスリッポンやらブラウンのローファーとか、真っ白なキャンバス地スニーカと合わせるだけでイイカンジになる。

ちょっと脱線するが他のズボンについて触れておく。

ズボンは他にもたくさん種類がある。
加工がキツいデニム(ダメージがスゴいやつとか、エビスジーンズみたいなよくわからないペイントされてるヤツとか)、カーゴパンツ、お父さんが履いてるようなタック入りのスラックス、トラックパンツ(ジャージ)、サルエルパンツ、革パンなどなど。。
この辺は個人的に着こなすの難しいと思ってるので避けてる。
特徴が多すぎること、普段着としての定着率が低いこと、この2点が避ける理由。

色について言うと、カーキっぽいデニムとか不思議な色のデニムも難しいので避けてる。
なぜか。長いズボンは人間の身体の半分を覆うからだ。
表面積の半分を占める長ズボンはコーディネートの印象を大きく決定づける。
なので、有彩色なズボンをガッツリ履く場合は他のアイテムでしっかりバランスとらないと『色の玉手箱状態』に陥ってピエロみたいになる。
カーキ色(有彩色)のカーゴパンツを例にすると、色はついてるわ、ポケットはたくさんあるわ、あげく迷彩柄なんてあったら、他のアイテムをどう選べばよいか全く分からず思考停止しちゃいそう。
上の理論を使えば、短パン(ひざ上)なら面積が小さくなるので派手目な色や柄を使っても良いということになる。
実際、総柄の短パンに白シャツ、エスパドリーユやサンダルやデッキシューズを合わせるだけでそこそこイイカンジに見える。

テーパードな生デニム履いてれば普通のファッションできる。

チノパン

定番。
超定番のベージュ系は避ける。
理由はズボンを明るい色にするとコーディネートの難度が上がるから。
安定のネイビーで。
形はデニムと同じくテーパードが良い。
靴はローファーやスリッポン、サンダルをあわせる。
ロールアップする。

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夏であればリネン素材のパンツが良いだろう。

写真のようなスニーカーは色が多いので避けたほうがよい。
もしスニーカーなら、ローカットで、装飾の無い、真っ白なモノを合わせるべき。
ハイカットやハイテクスニーカーなんかはあり得ない。
サンダル、スリッポン、エスパドリーユ、ローファーといったとにかく装飾が少なく、フットカバーに合うような靴と合わせる。
色は白、黒、茶色、ベージュあたりが良い。

テーラードジャケット

ジャケット似合わない人はいない。
シンプルなヤツで良い。
サイズ感が大事。
袖丈や着丈が長いとお父さんのジャケット盗んで着てきたのかな?ってなる。
逆に短すぎても子供っぽく見える。
そういう意味で七分丈のような半端丈なジャケットには手を出さないほうが無難だろう。

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カジュアルにするならデニム。
キレイ目、フォーマル風に寄せるならトラウザー(スーツ生地みたいなパンツ)。
白の綿パンなんかも合う。
ブラウン系の革靴が無難だけど、キャンバス地のスリッポンとかローカットスニーカーでもよい。色はベージュ系で。
好みで足首が見えるようにロールアップなりするとスッキリしてきれいに見える。

白シャツ

普通過ぎる。
どんな装いでも合うから必携。
半袖のシャツはカジュアルとドレスが混合してるのでちゃんと着ないと変に幼く見えたりする。
なので、長袖がオススメ。
長袖の白シャツならなんでもいいわけではなく、できるだけ身体にフィットするような形を選ぶ。
袖や着丈が長すぎたり、胴腕回りがルーズだと服に着られているような印象や不潔感を与える。
タイトでピチピチすぎるのもナルシストな感じで気持ち悪い(似合う人にはとてもカッコいい。)ので、面倒くさがらずに試着する。

襟の形も色々あって、体型や首の長さ太さによって合う合わないがある。
とりあえず与沢翼のような襟が高いシャツはアクが強いのでやめておく。
ネクタイをしなくても様になるボタンダウンやワイドカラーが良いだろう。

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生地も色々ある。
スーツと合わせて着るようなテカテカで目の細かいシャツはデニムとかと合わせにくい。
オックスフォードなんかの目の粗いモノを選択すると他のアイテムと喧嘩せずに合わせられるだろう。

着方としてはボタンは全て閉めずに、第一・二ボタンくらいまで開ける。
ボタンを開けたところから中のTシャツが見えるとみっともないのでタンクトップや深いUかVネックのTシャツを着ておく。
裾の部分をズボンの中に入れて着る「タックイン」はスタイルに自身があるならカッコいいと思う。
短足の人がやると結構悲惨なので注意。

ズボンはよほど変なモノでない限りなんでもOK。
長いズボンなら革靴やブーツ、ロールアップしてスリッポンやローカットスニーカーと合わせてもよい。

寒くなってきたらカーディガンやジャケット、ニット、スウェットを重ねて着ると良い。

短靴

コンバースやニューバランス、バンズなんかのスニーカは持ってるけど短靴を持ってる、という人ってそんなにいないのではないだろうか。
いつもの服装でも短靴と合わせるだけで上品な雰囲気に変えてくれる。
一足は持っておきたいところ。

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オススメはローファー。
上品さとカジュアルさを兼ね備えた万能選手。
色はブラウンやベージュ系を選んでおくと良い。いろんなボトムスと合わせやすいからだ。
靴の形状を選び間違えると『普通』ではなくなるので注意する。
間違った靴の形状とは『つま先が極端に尖ってる』もしくは『土踏まずからつま先にかけて反っている』ようなモノだ。
ひと昔前のホスト系ファッションで流行った形状。
顔立ちや髪型が地味なのに靴だけファンタジーな感じになってると、組み合わせとして見慣れないため『変=ダサく』みえる。
なので、よほど強いポリシーが無い限り(こういう自分ルールを持ってる時点で普通のファッションとは異なってる)は上図のようなベーシックな形のものを選んでおくといいだろう。

ロールアップしたボトムスにローファーのような短靴を合わせるだけで垢抜けてみえる。
基本的にはフットカバーやカバーソックスと呼ばれるようなくるぶしを見せるような靴下を着用しておく。
素足でも良いが通気性が悪い靴だと湿気が溜まって菌が繁殖するし、匂いも発生するため避けたほうが良い。

最近のオシャレな連中は白や赤のスポーツソックスを履いて、ロールアップ部分と靴との間からソックスをあえて見える、という謎の高等テクニックを使ってる。

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こういう手法は他の着こなしも完璧に構築されてる前提でしか成立しない難度の高い技なので、避けたほうが無難。

 - ファッション

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