失敗しないファッション
2015/07/09
オシャレが好きなんだけど、めっちゃオシャレでも無い自分が最近思ってる失敗しないファッションについてダラダラ書いてみた。
ファッションにおける失敗とはなにか
『ファッションに失敗する』とはなんだろうか。
これは直球すぎるが『似合ってない』に尽きる。
似合ってない、という現象はどうやって引き起こされるのか。
特異な状態であることだ。
そういう意味ではスーツは誰にでも似合う。
生活の中に溶け込んだ存在であり、特異ではない。
『サラリーマン、ネクタイ、気が引き締まる、晴れ舞台』
イメージも明確。
作業用のツナギはどうだろう。
こちらも概念としては深く定着してるかと思う。
イメージはどうだろう。
『泥臭い、機械油、(動きやすくするために)ルーズ、仕事場』
イメージも明確。
誰にでも似合いそうだけど似合わない。
なぜか。イメージは明確だし定着した概念もあるが着用されてる絶対数が少ない。
絶対数が少ないといっても、厳密な観測した数値をもとにしたわけでない。
あくまで感覚。
街のなかに作業着を着た人はどれほどいるだろうか。
炭鉱町だったら話は別だったかもしれない。
逆にスーツがポピュラーなものであったとしても、大学生が就活シーズンでもない普通の日にスーツ着て歩いていたらちょっと変だろう。
スーツと比べて作業着は生活環境に馴染んでいるか、という観点から見て特異な存在といえる。
さて、職業の記号としての服(制服?)ではなく、普段着としての服で特異なモノとはなんだろうか。
乱暴に言えば『普通じゃない』ということ。
失敗しないファッション=普通のファッション
普通の服と言われて想起するアイテムはなんだろうか。
Tシャツ、ジーパン、シャツ、スニーカー、パーカー、ジャケット、カーディガン。
自分はこのあたりを想起した。これらを組み合わせれば普通のコーディネートができるはず。
それから、服には色がついている。
白、黒、赤、青、緑、黄、、、などなど。
服で使う普通の色と言われて想起する色はなんだろうか。
服が好きな人はスッと出てくるが、そうでもない人は意外と迷うと思う。
思いつく色に普通か、普通じゃないか、ラベリングしてみる。
白→普通
ピンク→普通じゃない
グレー→普通
白でも色々な色味があって悩ましい。
そういうときは明るい白→普通、くすんだ白→普通じゃない、みたいな感じでラベリングする。
じゃあ、これらを掛けあわせて『普通の服のカテゴリ×普通の服の色=普通の服』となるか。
というとそうでもなかったりする。
実際に掛けあわせてみる。
黒のTシャツ=普通
白のジャケット=普通じゃない
グレーのシャツ=普通じゃない
紺(ネイビー)のジーパン=普通
黒のジャケットは普通だけど、白のジャケットは普通じゃない。
なぜか。
着用されている絶対数が少ないからだ。
同様に白のジーパンも普通ではない。
でも、白のTシャツは普通だし、白のスニーカーも普通だ。
なぜか。
着用されている絶対数が多いからだ。
Tシャツ、ジーパン、シャツ、スニーカー、パーカー、ジャケット、カーディガン。
普通の服になるように色を組み合わせてみる。
例えばこんな感じ。
白のTシャツ、紺のジーパン、白のシャツ、白のスニーカー、グレーのパーカー、黒のジャケット、茶色のカーディガン
これだけで終わらない。
服には特徴がある。
白のTシャツでも無地なのか、なにか絵がプリントされてるのか、柄があるのか、半袖なのか、七分袖なのか。。
紺のジーパンでも細身なのか、余裕のあるタイプなのか、裾は狭いのか広がってるのか、生地は薄いのか厚いのか。。
それはもういろいろ出てくる。
普通の色の服を組み合わせても、特徴が普通じゃないと一気に特異なファッションになる。
ジーパンなら裾が末広型(フレア)のモノだと、一気に時代錯誤のヒッピー系になる。
めちゃくちゃルーズだとB系になる。
もちろん、B系の集団に属してるなら普通だし、ヒッピー系の集団に属してるなら普通だ。
では世間一般はどうなってるか。
そんな人たち沢山いないよね。
普通のジーパンってなんだろうか。
ストレート、スキニー、テーパードあたりだろう。
服屋のジーパン売り場でよく見るタイプが普通だ。
ここ最近は細身な傾向が続行中である。
ジーパンには他にも特徴があって、ダメージがあるものや、洗いをかけて色を落として表情を変えてるもの、、などなど。
できるだけダメージや洗いのないモノを選ぶ。
リジッドデニムと呼ばれたりするものだ。
去年辺りから色味が薄いデニムが流行しそうではあるが、色味の薄いデニムは白デニムパンツ寄りになるため扱いが難しくなると思う。
と、こんな感じでなるべく装飾や加工が少ないタイプを選ぶ。
特徴=オシャレって考え方は間違ってはいないけど、実際にそのアイテムを使ったコーディネートを考えるのは難しいと思う。
まずは普通の色で普通の形の普通の服を組み合わせるコーディネートを作れるようになると失敗しない。
だって、普通なんだから。
白のボタンダウンシャツに紺のテーパードデニムに白のスニーカー。
はい、普通。
ボタンダウンシャツがサイズオーバーだったり、白のスニーカーに訳わからん色のストライプが入ったりしてなければ、退屈だけどオシャレっぽくみえる。
ファッション系の情報を見てると清潔感やサイズ感が大事だ、と訴えてる。
服のサイズを極端に大きくしたり小さくしたりするのは明示的な意図が必要だし、こういうのはファッション上級者だけで良い。
よくあるのがダボついたり、ちょっと袖が足りずに意図しない九分袖になってたりするパターン。
これはコーディネート全体にノイズが乗る。
例えば、シャツをワザとダボつかせて、ズボンをクロップドパンツにしてスリッポンを履く、といった感じで上半身をボリューミーにして下半身をタイトな感じにして全体のバランスをとる、という設計思想があればよい。
問題なのが、意図しないアンバランスさだ。
ズボンはしっかりフルレングスなのにシャツがちょっとダボついてると野暮ったくなるし、幼くみえる。
スッキリしてるかどうか、チェックすると良さそう。
抜け感、清潔感と呼ばれるファッション用語の実態は『無駄な情報量が無いこと(=普通)』だろうと思ってる。
できるだけシンプル、プレーン、クリーンという単語を当てはめても問題なさそうな服を選ぶと他の服と組み合わせやすい。
よく目にするけど難しい服
普通の服なんだけど、難しい服の例を挙げる。
よくエンジニア=チェックシャツというレッテル貼りがされてる。
退屈なファッションを基調とする自分からすると『チェックシャツなんて難しいものよく平気な顔して着てるな、、』と思うわけだ。
なぜチェックシャツを難しいと思うか。
2点あって、1つは色数が多いこと。もう1つは柄が複雑であること。
シンプルな白シャツに比べてチェックシャツは圧倒的に情報量が多いことが分かるだろう。
たしかにチェックシャツはわりと定番だし、いわゆる普通の服だと思う。
ただ情報量が多いため、他のアイテムを選択するときに制約が課せられることになる。
先ほど軽く言及したが、ファッションにおいて『意図されたバランスの提示』が失敗しないために重要な要素だったりする。
繰り返しになるが、白シャツは白色と形状の2つの情報だが、チェックシャツはN色と複雑な柄と形状の多数の情報を含んでいる
つまりチェックシャツを使うということは他の服は極めて質素にしなければいけない、ということだ。
デコラティブなハイテクスニーカーなんか履くのは地雷を踏むようなものだし、ひどくダメージ加工されたジーパンなんかノイズの上乗せでしかない。
チェックシャツを着るならズボンは黒のスキニーで、シューズは焦げ茶のローファー(裸足か、くるぶしまで覆わないソックスを履いた状態でクツを着用すること)とか、だろうか。
このようにゼロサムなコーディネートを作ることで、失敗しないファッションに近づくことができる。
少し重いコーディネートだなと思ったら上着の袖をまくったり、シャツのボタンを開けたり、ズボンをロールアップさせたりする。
逆にちょっと軽い、もの寂しいコーディネートだなと思ったら、時計をしたり、靴下を強い色味のものにしてみたり、ストールを巻いたり、カーディガンをプロデューサー風にかけてみたりする。ロイド眼鏡のような変わったフレームのメガネやサングラスもアクセントになるだろう。
この辺のやり方は無数にあるだろうし、ファッションの楽しさであり難しさでもあるのかなと。
ただ、失敗しないことに注力するなら、できるだけプレーンな普通の服を使ったコーディネートが楽で良い。
と、いうわけで
ファッションで失敗しないためには『普通の服による普通なコーディネート』をすること。
元気だったら嗜好とファッションの関係について書いてみようと思った。
下記は雑多なメモ
自分の嗜好を一旦捨ててみる
このブランドが好きだから着る。
こういう服が好きだから着る。
こういう色が好きだから着る。
上記は意志に満ちあふれてそうである。
しかし、このように意志を持って選択しているようで、嗜好(癖の方が正しいかも)の傀儡になっているのではないか。と、思う。
もちろん、このような『好き』という嗜好は大事。
こういう嗜好を持ってない人もいる。
思うに嗜好が無い人って良くも悪くも型や流行に従順なので、傍から見るとオシャレだったりする。
服装について考えることが面倒で、なに着ていいか分からないのでマネキン買い。とか。
嗜好は別に『ティンバーランドが好き』とかだけじゃなくて『服にお金をかけたくない』とか『目立ちたくない』とか、こういうのも嗜好だと思ってる。
- 重心をどこに置くか考える
- 派手な色は1つだけ使う
- 単色or同系色はコーディネート難しい
- 自分にとってすべらない服を知る
- 定番服こそ良いモノを買う
量産型ファッションについて
男子学生を例にすると『チノパンに明るい青のデニムシャツ』みたいなヤツ。
匿名掲示板のまとめサイトでは『みんな同じ格好してて滑稽』って蔑まれてる。
個人的には全くそんなこと思ってない。
量産型=最適解と考えてるから。
量産型を知って、着て、体系化する行為は失敗しないファッションをしたいなら必須だろうな、と。
で、ズボンがベージュなら上着が明るい青ならデニムシャツじゃなくても良い。と学んでいく。
すると、チノパンにブルーグレーのスウェットをあわせたり、発色の良い青が入ってるスポーツブランド系のナイロンブルゾンとかをあわせたり、水色の薄手ニットをプロデューサー巻きしたり、と応用ができる。
なので、量産型ファッションはとても良いこと。