ZOZOの送料が無料から自由になったけど、中卒キモオタニートなので狙いが分からない件
どうも、将来の夢はNewsPicksのプロピッカー(笑)こと、栽培マンです。
ZOZOが不思議なことをはじめました。
http://zozo.jp/soryo/
送料を無料ではなく自由にする、というもの。
ツケ払いといい、客の善意に訴えかける感じがイヤらしくて良いですね。
条件反射的に「またZOZO変なことしたなー」という感想以外何も湧かず、送料自由の目的が分からないので考えてみました。
Contents
そもそも送料ってどうなってたっけ?
http://zozo.jp/news/20170628_170899.html
上記と自身のおぼろげな記憶をまとめると、次のような感じだ。
- 一般会員
- 1注文につき配送料399円
- 4,998円(税込)以上の注文をすると送料無料
- 即日配送が350円
- ZOZOプレミアム会員
- 月額350円
- 送料が無料
- 返品が無料
- 即日配送が350円
- ZOZOプラチナム会員
- 月額500円
- 送料が無料
- 返品が無料
- 即日配送が無料
- ヤマトの問題で即日配送なくなった…
『4,998円(税込)以上の注文をすると送料無料』の意味
お客さんが4,998円以上買ってくれると送料が賄える、ってことなんだろうか?
ZOZOTOWNがどうやって稼いでるのか、見てみる。
スタートトゥデイ社のメインの稼ぎ頭は「受託ショップ」だ。
同社売上高の約72%をも占めている。
取扱高はなんと約9割を占めている…!
「受託ショップ」は、ZOZOTOWN内にテナント形式で出店をいただいている、各ブランド様のショップ運営管理を行う事業です。各ブランド様の商品を当社の物流拠点に受託在庫として預かり、販売を行う事業形態となっています。2017年3月末現在、947店のショップを展開しています。 各ブランド様からいただいている手数料が売上高となっています。
売上高 = 各ショップの商品取扱高 × 受託手数料
受託手数料の詳細は下記の記事に書いてた。
http://www.mag2.com/p/news/239260/2
受託手数料の率は?
受託手数料率は28%程度とみられます。
スタートトゥデイは受託手数料を取る代わりに何を提供しているのか?
ゾゾタウンのビジネスモデルは仮想商店街の楽天市場に似ていますが決定的に異なる点があります。それは物流の仕組みです。楽天市場では一部を除いて商品の発送は各店舗が行います。一方、ゾゾタウンでは各店舗の商品を自社の物流施設で預かります。そして保管、写真撮影、梱包、発送までの一連の作業を全て代行します。
店舗側は手数料を払って面倒なことを丸投げできる。
発送もスタートトゥデイ側でやってくれるということは、28%程度の手数料から送料を賄ってるってことかな。
ちなみに、他社の手数料率はどうなってるか?
物流の仕組みの違いは手数料率に表れています。楽天市場は各店舗の売上高の2.0~7.0%のシステム利用料(加えて1万9,500~10万円の月額出店料がかかる)を受け取っています。ちなみにアマゾンは15%が中心の出品手数料を受け取っています。ゾゾタウンの受託手数料率は先に述べたとおり約28%で、競合と比べて高い受託手数料率を実現できています。
ZOZOって手数料高いのね。
っても、自社の店舗で売ろうとすると、売れ行きの是非に関わらず、店舗の賃料や人件費がほぼ固定費としてのしかかってくるわけで…
手数料が売れた分の約3割ってのは店舗側にとってもリスクヘッジできて良いのかもね。
売れなかったら手数料払わなくて良いわけだし。(出店初期費用やら、毎月なのか年次でテナント代かかるかどうかは知らん…)
これって、サーバーにおけるAWSとオンプレミスとの関係に似てるかも。
店舗のクラウド化って感じかな。
お客さんが4,998円買うと、スタートトゥデイ社は約1,400円の受託手数料を得ることになる。
この1,400円から送料400円を賄ってるのかな。(大口契約で400円まで圧縮できるもんなのかな…?)
さて、スタートトゥデイの営業利益率は約34%(※受託ショップだけじゃなくて他の事業を含めたスタートトゥデイ全体の数値ね)
かなり高収益だ。
お客さんが4,998円買ったときの儲けを適当に計算してみると…
取扱高が5000円なので、受託手数料の売上高が1400円で営業利益率が34%なので、476円が儲けだ。
1400円 = 送料400円 + 儲け476円 + その他販管費524円(人件費、オフィスや倉庫費、サーバー費などなど…) という構成になる。
取扱高がどうであれ、924円(送料400円とその他販管費524円)はスタートトゥデイから捻出する必要があるだろう。
なので、お客さんが3300円以上買ってくれないと、スタートトゥデイの儲けが0円になる。
1注文あたりの出荷単価ってどうなってんかな。
http://image-contents.s3.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2017/06/20170628_yuho.pdf
上記の資料をみると平均出荷単価は4,998(税込)円を余裕で越えてる。
全ての注文の送料を無料にしても全然OK!ってことなんじゃないの?w
まあ、平均値が越えてるだけで、出荷単価がバラついてて4998円以下とそれ以上に二極化して分布してる可能性もあるし、なんとも言えないわな…
出荷単価の分布が見たいすね…
↑でダラダラ書いたことを箇条書きにしてみると
- 出荷単価3,300円を切ると儲けが0になり、スタートトゥデイ側としては困る
- 平均出荷出荷単価は4,998円を余裕で超えている
- 4,998円で送料無料の根拠がよく分からない
- 出荷単価の分布が分かると何か見えそう
って感じ。
とにかく、上記のようなやり方で営利率34%も叩きだしてるので、ここにきて送料をイジる意味が分からない。
送料自由の目的
送料周りを整理しながら、思いついた目的をメモ。
運送会社との運賃交渉で送料が上がった、でも急に値上げするのもはばかられるし、今でもそこそこ高収益だし、送料自由にしてどんくらい払ってくれるのか実験してみよう説
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ27HO0_X20C17A9MM8000/
アマゾンとヤマトとの運賃交渉が4割以上の値上げでまとまりそう、という話。
スタートトゥデイもこの辺の影響を受けて、運賃が上がることになった…としたら儲けが減ることになる。
送料が400円なので、仮に5割アップとすると送料が600円になる。
営業利益率が34%から約20%になる。
営業利益率を維持するなら何かしらの方法で補填しないとダメ。
例えば購入価格が5998円以上なら送料無料するとか。(ちょっと営利率下がるし、5998円って値段がキレ良くない)
まあ、いきなり値上げするのはダサいし、今でも十分儲かってる。
だからといって送料無料にするのもつまらないし、10%くらい営利率落ちるのはイヤだ。
なので、いつでもやめられる体裁にして、送料自由を実験した上で適切な送料を探ってみよう。
んー。
金を持ってない学生を取り込みたい説
出荷単価が高いってことは、安い単価の注文が少ない、ということでは?
最近のZOZO、楽天に出店してるような激安ブランドを扱うようになった。
人気アイテムランキングでもよく見ますよね。
ツケ払いは、クレカを持ってないし、手元にまとまった金はないけど、オシャレしたい、というまさに学生向けな施策って感じだったし、今回の送料自由も学生に刺すための施策なんじゃないかなと。
ツケ払いは大学生向けな印象だったけど、今回の送料自由は中高生向けな気がする。
安い服を安く手に入れる。
金のない中高生にとっては400円の送料すら購入の障害になる。
ZOZOの利用者の平均年齢って30代前半だったはず。
オッサン、オバサンが多いんです。
オッサンオバサンはもういいので、まだまだ余地のある若年層を取り込みたい。
今回の施策によって、学生は送料自由で迷わず送料0円を選択してもらって、デモグラの若返りしていただければ幸いです。
個人的には副次的な効果を期待している。
カナダグースとか買っちゃう年収600万〜の中流からアッパーミドルな社会人はソーシャル映えのために送料800円とか払って欲しい。
その様子をオッサンオバサンしかいないFacebookでシェアしてもらって、会社の部下から義理イイネしてもらって欲しい。
中途半端な年収な彼らは常にコップの半分しかない自尊心の持ち主なので、不安なんです。
これを満たしてあげる仕掛けがあるとかなり良いと思う。自尊心を満たす上で言い訳があると尚良し。懐かしいヤツだとアイスバケツチャレンジのバトン形式で指名してゆくの良い口実だよね。
例えば…送料の額に応じて、オリジナルのノベルティグッズ付いてくると(しかも、何円課金すると何が付いてくる、ってのは分からない)、「ZOZOで服買ったらこんなん付いてきたww」ってSNSでシェアさせていただきやすいでしょうね。
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