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メンズファッション誌の読書感想文

      2016/12/23

ファッションの動向を追うなら大学生を見るといい。

彼らには子供な面と大人な面が同居してる。
SafariやOCEANSのようなオッサンたちのテンプレートファッションにはない面白い着こなし(地雷も含む)が見つかるんですよね。

大学生向けの雑誌、FINEBOYSやメンノン(ちょっと攻めてる自分カッコいいっていう自愛臭が強すぎて見てられないが…)あたりを読むとファッションの動向がなんとなく掴めるわけです。

ファッションの動向追うならコレクションだ?
モードの話はしてねえんだよ、クソアスレジャーY-3どもが。
ジョガーパンツにTシャツタックインして、Y-3のスニーカー(Kyujoな)履いて、チョイ・ボンゲみたいなサングラスかけて表参道付近でドヤってろ。

というわけで、読んだ雑誌の感想を書いてゆく。

FINEBOYS [369号]

ファッションに悩む大学生は今号買っておくとよさげ。
まず、昨今の流行りであるミリタリーウェアを上手に着こなす方法がガッツリ誌面を割いて紹介されていること。
謎に大ヒットしたMA-1から、ピーコート、トレンチコート、ダッフルコートといった定番アイテム、ニッチなB-3ジャケットなんかまで網羅している。

ミリタリーウェアが流行りと言ったが、そもそもミリタリー系のアイテムはメンズファッションにおいて欠かせない存在。
だから流行ってようが流行ってまいが毎年のようにミリタリー系のアウターは着るので、着こなし方を覚えておいて損はない。

それから『身長160cm台でも戦えるウマい着こなし養成講座!』もオススメ。

我々日本人は身長は低いし、頭身数も小さい、おまけに股下の短い。
まさにファッション劣等種。

『俺は175㎝以上あるからロングのチェスターコートも余裕で着れるわwwチビ乙www』とか思い上がってる人いますけど、スタイルの良さは身長だけで決まるわけではないです。
頭の大きさと脚の長さも大事。
極端な例だけど、柔道の篠原やチェ・ホンマンはメッチャデカい。
でも、頭デカすぎるのでスタイル良くないよね。
逆に顔が小さくて、脚も長けれりゃ身長小さくてもスタイル良いのでロング丈のコートだって似合うんです。

身長の高さだけで安心するのは禁物。
ただちに頭の大きさと、股下を計測して現実と向き合いましょう。
で、スタイル悪かった人は『身長160cm台でも戦えるウマい着こなし養成講座!』を読むといいです。

基本的なIライン、Vラインの作り方から、素人だったらまず知らないであろうスタイル良く見せる色使いなんかも書いてあるので参考になるかと。
『今流行ってる服だけで通用する知識でしょ?』って思うかもしれないけど、そんなことはない。
ボリューム感をコントロールしてラインを作ったり、色使いを工夫して縦のラインを強調する手法は知覚心理学に基づいた方法(スタイリストたちは意識してるかどうか知らないけど)なので、流行が変わって使う服が全く様変わりしたとしても通用する。

FINEBOYS [368号]

前号はアウター特集だった。
今号は迷走してる感じ。

僕らが見られているのはこの4つ「アウター」「スニーカー」「バッグ」「腕時計」にこだわるのが大人のルールだ!

たしかに、この4つは見ちゃいますね。

アウターは表面積が大きいので、見られますね。
スニーカー、腕時計は末端部分のアイテムなので、見られますね。
バッグは直接体に身につけるアイテムではないので目立ちますし、見られますね。

正直、腕時計はこだわる必要ないですね。
腕時計こだわる前にアウターやスニーカー、バッグに投資すべきです。

FINEBOYS [367号]

前々号、前号までは、基礎的なファッションテクニックや定番服の着こなし方と保守的な内容だった。
その反動か、今号は『とにかく旬な情報を詰め込んだった!』という印象をうけた。

とにかくアウター、アウター。
キレイめ量産型ファッション御用達アウターであるチェスターコートから、ガチなミリオタ歓喜なECWCS(笑)まで、ジャンル集められるだけ集めたって感じ。

まあ、いろんなアウターに目を光らせるのもいいんだけど、大抵のアウターは淘汰されて死ぬんだから(例えば、ノーカラーブルゾンとか)時間のムダになりそうだよね…
アウターとか現状で定番モノ3,4着くらい持ってるでしょ?
まだチェスターコート買うの?w

手持ちのアウターを豊かに着回せるアイテム探したほうがいいと思うわ。
それか1点突破なアウターに全投資するとかね。

今スグ買うべき4大アウターで買っていいのはダブルのライダースだけ!

今スグ買うべきって紹介されてた4つのアウターは以下の通り。

  • ゆるコート(ドロップショルダー)
  • MA-1
  • ダブルのライダース
  • 刺繍なしスカジャン

ダブルのライダース1択です。

なぜか。
理由は2つある。
1つは、ダブルのライダースは汎用性が高いから
もう1つは、他のアイテムはすぐ陳腐化しそうだから

ダブルのライダースってゴツいイメージあるけど、そんなことない。
Mr.Childrenのボーカル、桜井和寿は顔は整ってるけどあっさりした薄い顔立ちだ。

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インナーのデザインや腰に巻いた謎のチェックシャツはともかくとして…ダブルのライダースがよく似合ってる。

パーカーやスウェットと合わせてストリートっぽくしてもよし、ニットやシャツと合わせて甘辛なコーディネートに仕上げてもよし、プリントTシャツと合わせてロックな感じにしてもよし…と、まあどんなインナーとも合わせられるところが使い勝手いいよね。
パンツも何合わせてもほぼ失敗しないし。

他のアウターは特定の着合わせしかできないのか?っていうとそんなことはない。
ゆるコートだってMA-1だってパーカーやらニットやらと合うし、それなりの汎用性はある。

となると『なんでダブルのライダースだけなんだよ。俺はスカジャン着てえわ』って思うよね。
スカジャン買えば?MA-1買えば?ゆるコート買えば?

好きにしたらいい。
けど、ちょっと考えてみて欲しい。

そのスカジャン、何年着るの?
そのMA-1、何年着るの?
そのゆるコート、そもそもお前の体格に合ってるの?

スカジャンは短命そうだし、MA-1はそろそろ変な方向(ビックシルエットやロング丈)に行きそうだし、ゆるコートはスタイルの悪い日本人には似合わなそうだし、と思うわけ。
そんなアイテムに大事な金出したいか?と問われるとNOなんだわ。

FINEBOYS [366号]

『大学生にの定番服は徹底的に着まわそう』は着こなし下手な人にオススメ

9月とはいえども、まだまだ残暑は厳しい。
秋らしい着こなしはムリだが、ちょっとファッション好きな人は10月からの本格的な秋に備えて着こなしを考えたり、服を買い足したりする。

一方、ファッションオタクとよばれるガチ勢の御仁達は予約会や受注会とよばれるイベントで既に秋・冬服を予約購入したりしてる。暑い、ヤバい、間違いない。
彼らはもう来年の春夏のファッションを見据えているのだ…

一方、オールドスクールオタクとよばれるガチ勢の御仁達は秋月電子などで電子機器を購入したりしてる。熱い、ヤバい、間違いない。
彼らはもう数年先のIoT社会到来を見据えているのだ…

とにかく、肌寒さを感じてから慌てて秋服を考えるのは悪手だ。
意識高いの皆さんは『孫子』を読了(笑)済みであろう。
彼の言葉を引用すれば

彼を知り己を知れば百戦して殆うからず

…と、いうことだ(スタバでドヤ顔)

手持ちの服は何があるか?
どんな組み合わせができるか?
少し暑い日はどんなコーディネートが良いか?
肌寒い日はどんなコーディネートが良いか?
どんなアイテムを買い足せば効率的にコーディネートの幅を増やせるか?

着こなしが上手だな〜と思う人は上記のような準備をやってる。
オシャレ好きだからといってアイテム数がめちゃくちゃ多いわけでもない。
週に1,2回は同じ服使ってる。でも、カッコいい。
アイテムがムダなく、モレなく、まさにMECE(笑)に選ばれてるからだ。

他方で、着こなしが下手な人はムダが多いし、モレが多い。
似たような服を何枚も持っていたり、持ってたほうがいいアウターを持ってなかったりして気温に相応しくない薄ら寒い格好で出歩いたりしてる。

今号のFINEBOYSの大特集『大学生の定番服は徹底的に着まわそう』は約40ページ近く使って、着回しの基本から、「なりたい自分」という完成形ごとの着回し方法の解説など充実した内容になってる。
服はたくさんもってるのに、週半ば木曜日あたりから着こなしの手札がなくなって困ってる…という着こなし下手な人は一読してみるといいかもしれないです。

「俺はファッショニスタや…上級者には退屈じゃのう…」っていう表参道系のドヤクソVetements野郎はgapでも読んでて下さい。

今号に載ってる使えそうな秋服

人と被るのはイヤ!と四の五の言わずに必携すべき服

  • カーディガン
  • プルオーバーパーカー
  • ロングTシャツ

個人的に普段使いしたい服

  • スウェードブルゾン

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上図のような襟付きのジャケットはワーク系(長瀬智也やケンドーコバヤシとかが好きそうなファッション)っぽい印象がある。
これが普通のレザー素材だと男臭すぎる。男性ホルモン多そうな顔立ちの人は似合うけど、そうじゃない人の方が多いよね。
私は男性ホルモン標準値顔、かつ少肉中背なので、襟付きレザーブルゾンを羽織ると服が悪目立ちする。
典型的な服に着られてる状態に陥る。
これをスウェード素材にするだけで、あんなに武骨なブルゾンが軽くて、上品な印象に様変わりする。
余計な装飾を配したクリーンなスウェードブルゾンは、Tシャツ、ニット、スウェット、パーカー、シャツ(ノーカラーでもいいね)と相性が良いので、かなり着倒せる1着。
キャメルやベージュといった色のモノにしておけば秋だけじゃなくて、春にだって全く問題なく着れる。
圧倒的に買いですね。

  • ロング丈のカーディガン

一歩間違えるとキモいV系、サロン系、お兄系、モードになりがちなロング丈のカーディガン。
いつもカーディガンをそのままロング丈にしたようなモノではなく、ガウンに近いロングカーディガンをゆったり羽織ると良さげである。

↓例えば、こういうヤツ。
色も良いし、ショールカラーっぽくなってるのも良いよね…

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↓こういう、大きめなサイズでちょいモサッとしたナンバーナインのロングカーディガン(そんなに長くないけど)も良いね。
グランジ(笑)ファッションが好きなだけど、カート・コバーンみたいなモヘアニットのカーディガンはちょっとモサ過ぎてキツい…って人にはオススメかなと。

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一方で、よくあるカーディガンをそのまま長くしたようなヤツは、キモいV系、サロン系、お兄系に陥りやすいので要警戒だよね。
↓こういうヤツね。

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下記3点の特徴を持ってるロング丈カーディガンが地雷の可能性大。

  • ハイゲージなロング丈カーディガン
  • タイトめなロング丈カーディガン
  • 色味がキツい(真っ青とかショッキングピンクとか、真っ黒、真っ白もヤバい)ロング丈のカーディガン

ロングカーディガンは他の服に比べたら丈、素材感や色味のディテールの調整がめっちゃ大事だと思うわ。
上手くハマれば、ワードローブ化するし、調整失敗したヤツを選んじゃうと『塩漬け服』になっちゃうね。

総評

本田翼の特集がよかったです。

FINEBOYS [365号]

Tシャツ&黒スキニーを使った『かっこいい!の基本』を読むだけのために買う価値アリ(Yohji Yamamoto系の人は不要)

なぜか。

ちゃんとした雑誌がそれなりのスタイリストをつけて、ファッションの基本を解説してるから。
しかも、この情報が550円で手に入るから。

実は、この手のファッション入門者を対象にしたファッションメディアやらブログやら書籍(素人がKindleで出版したモノも含む)はたくさんある。
色々読んだけど、中身の濃淡には程度があるものの書いてることは概ね変わらない。

「ファッションにセンスはいらない」と銘打ちメルマガや書籍を通じて自身の理論を展開するMB氏
就活に失敗して新卒フリーランスになった岩田氏や、『服を売らないアパレル店員』という(何か意味ありげなことを言ってるようで何も言ってない)キャッチコピーで有名な小林氏などなど、何人か目立つブロガーが存在する。

彼らや、数多のファッションハウツー本の中で共通する主張が『とりあえず黒スキニーを穿け』だ。

一方で、最近のコレクションや意識高いファッショニスタ(笑)を見てると、太めなパンツを使ったコーディネートをよく見かける。
いよいよエディ・スリマンの強烈な重力から脱却する時が来てしまったのだろうか。
スタイルに恵まれない私にとっては厳しい時代になりそうです…

そんな流れの中で、多感な10代~20代前半向けファッション誌が『黒スキニー穿け!』と大きく特集してる。
なかなかコンサバティブな判断だわ。

先述の通り、同じ「黒スキニー」を扱ったファッション解説コンテンツがたくさんあります。
じゃあ、その中からどれを選びます?

素人に毛の生えたようなコンテンツに課金するか?
まともな雑誌社が作るコンテンツに課金するか?

答えは明白ですね。

『有名雑誌だからって内容が良いとは限らない』という陰謀論が好きな本質厨の人も安心してください。
内容しっかりしてます。

  • 黒スキニーとTシャツをベースにした基本の着こなし解説
  • ベースコーディネートに合わせる定番シャツ、アウターの解説
  • 流行アイテムを使ったコーディネート例の解説

基本をしっかり紹介しつつ、流行アイテムとの合わせ方もフォローしてくれてます。
みんな大好きなスカジャンの着こなし方も解説してくれるよ

黒スキニーとTシャツをベースにした基本の着こなし解説
ベースコーディネートに合わせる定番シャツ、アウターの解説

この2点はファッションが全く分からない人にオススメですね。
個人的にはポール・スミス着てれば、バーバリー着てれば絶対カッコいいと疑わず量産型ファッションをバカにしてる馬鹿に読んで欲しいですね

今回のFINEBOYSの何が良いって、当たり前なんだけど画像情報が豊富なことなんだわ。
一方、素人に毛の生えたようなコンテンツはFINEBOYSの550円より高額であるにも関わらず、画像情報が圧倒的に少ないです。

黒スキニーに白シャツが云々でシューズはスタンスミスが云々で…って文言の羅列は良いんだけどさ見た目どうなん?
…って、写真載ってねえのかよ…

せめてWEARやらPinterestから画像探して来てよって思うよね。

脱オタ系のファッションハウツー本にいたっては、ターゲットが2次元好きを想定しているのかイラスト…
全く参考にならない…

他の企画は読む価値ない

  • いろんな新作スニーカー紹介コーナー
  • いろんなTシャツ紹介コーナー
  • 「青」を使った着こなしコーナー
  • 質素になりがちな夏コーデを小物カバーしよう、的なコーナー

この辺はあんまり価値ないですね。
一過性の強いアイテムばかり&雑誌に紹介されてる時点で鮮度悪い。
これ何のために読むの?って感じです。

だって今からコーディネートのメインになるようなTシャツ買うの?
もう夏のセールほぼ終わってるよ。
小物も然り。

適当にZOZOとかHBXとかのセール品見てたほうがよっぽど有益。(ほんとに売れ残りだなあ…ってのしかないけど)

総評

広瀬すずの特集が良かったです。

 - ファッション

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